競艇場は、北は群馬県、南は長崎県まで全国に24カ所あります。ちなみに、関東より北に競艇場がないのは、水面が凍結してしまう恐れがあるからです。また、各競艇場により水質やコースの形状、潮の流れも違うため、全く同じ条件でレースが行われることはありません。水面だけでなく各競艇場には様々な特色もあります。そこで今回は、競艇場ごとの特徴や地元の有力レーサー、更にはご当地グルメなどを北から順にご紹介したいと思います。
ナイターレース発祥の地として知られる桐生は、日本の最北端にある競艇場です。しかも、全国一標高が高いのでモーターのパワーが落ちるのが特徴です。そして、桐生と言えば、元祖イケメンレーサーで、賞金王シリーズでも活躍した山崎智也。人気女子レーサー・横西奏恵と電撃結婚したことでも知られています。そして、今の桐生を代表するレーサーは何と言っても毒島誠です。
水面は淡水で水が硬く、浮力が弱いので体重の重いレーサーには不利な環境です。冬場は強い季節風(赤城おろし)が吹いて追い風になるためレースが荒れやすいです。また、一日の気温差が大きいので、ナイターに合わせたモーター調整の上手いレーサーが狙い目です。ピットから、2マークまでの距離が長いので、ピット離れのいいレーサーが有利で、前づけも比較的多くあります。4カドまくりが良く決まることでも有名です。
おすすめ名物:「ソースカツ丼」と「ヒモカワうどん」
オリンピック会場にもなった戸田漕艇場の最奥に造られた競艇場で、横幅が107・5メートルと日本一狭いコースです。結果的にインが他の競艇場と比べると不利になり、1コースの勝率が40%程度、全国一の低さです。一方で4コースの勝率は16%程度と全国でも特出した高さで、4カドまくりが毎日のように炸裂します。コースが狭いことからチルトが最大+0.5と規定されており、大外からのまくりは厳しく、予想の難しいコースの一つです。水質は淡水で、年間を通じて穏やかな水面です。
古くからのファンにとって、戸田と言えばいぶし銀の加藤峻二や池上裕次を思い出します。その名前を冠した「加藤峻二杯」も作られています。現在の人気レーサーは、SGにも常に名前が挙がり、3回優勝している桐生順平でしょう。
おすすめ名物:メンチカツ。少しマニアックですが、串モツもお勧め。
マスコットキャラクター:「ウインビー」と恋人の「ウインク」。
全国で唯一河川を使ってレースが行われている競艇場です。河川とは言っても河口に近いことから水質は海水です。レースは潮の干満の差の影響を大きく受けます。更に風の影響でレースが中止されることもあり、ベテランでも苦戦することが多く、大番狂わせが起こる全国屈指の難コースと言われています。特に満ち潮と引き潮のぶつかり合う時間帯や強風と潮のぶつかり合う時には波立ってレースが大荒れになります。
江戸川巧者と言われているのは、茅原悠紀(岡山支部)、地元では江戸川鉄兵の異名を持つ石渡鉄兵(東京支部)、桑原将光(同)、女子ならば清水紗樹(同)です。主要レースは江戸川大賞(G1)と企業杯のアサヒビールカップ(G3)。
おすすめ名物グルメ:もつ煮込み定食、変わったところではトーストしたパンにサクサクのハムカツを挟んだ、ハムカツパンがお勧め。
マスコットキャラクター:ウサギと亀のラリー&バディー。
関東のSGのメッカと言えば平和島です。賞金王決定競争や総理大臣杯競争など多くのビッグレースが開催され、東京では最大の動員数、売り上げを誇っています。水質は海水、潮位の変化で水面が時間によって変化するのが特徴ですが、レースには殆んど影響はありません。ただし、ビル風が影響を及ぼす事が多く、レースが荒れる原因を作っています。
1コースの勝率が低く、春から夏にかけては追い風でイン有利ですが、冬場は向かい風になるのでダッシュ勢のアウトからのまくりが決まって穴が出ます。また、バックストレッチで斜行が禁止されているため、1周の2マークまで勝負がもつれることも多く、決り手に「抜き」が多いのも特徴です。代表的なレーサーは実力上位で全国区の熊谷直樹、地元では浜野谷憲吾、飯山泰レ、山田哲也などです。
おすすめ名物:チルト3の豪快なまくりに因んだ「チルトサンド」。カツをペラに見立てています。
マスコットキャラクター:くじらのP☆STAR(ピースター)。
実は多摩川の水を引き込んでいるのではなく、砂利の集積場だった場所を利用して競艇場が建設されました。水は井戸水を利用しているため淡水で、完全なプール状の競艇場です。このため日本一の静水面と呼ばれています。風の影響も少ないことから1コース有利と思われますが、あまりイン有利を信用すると痛い目にあいます。水面が静かで、しかも広いコースならばスピードレースが必至で、スタートを決めればどのコースからでも全速で攻めることが出来るため、どこからでも勝てるのが多摩川です。
殆んどのレースが枠なりで、勝率は1コースが平均より少し低く、逆に6コースは全国でも上位クラスです。スタートよくセンターからまくって来る場合やアウトからのまくり差しもあるということです。チェックしておきたいレーサーは。多摩川巧者の三角哲男、長岡茂一、多摩川と相性のいい長田頼宗です。
マスコット:カワセミの「ウェイキー」。最近は2次元アイドルの「静波まつり」。
東海道新幹線の車窓からも見える日本最大の水面を誇る競艇場です。浜名湖の水を利用したプールで、水質は海水と淡水が混ざった汽水。干満差はありますが波は少なく、広いので走り易い競艇場としてレーサーの間でも人気が有り、スピードレースが展開されます。ただ、海に近いので季節風の影響を受け、夏は向かい風、冬は追い風となります。
ピットから2マーク、1マークのバックストレッチが特に広いので、モーターの調子のいいレーサーが狙い目です。特に向い風の強い日はモーターのいい艇に注目しましょう。おすすめのご当地レーサーは、菊地孝平、坪井康晴、徳増秀樹、女子は長嶋万記。
おすすめ名物:「昼は浜名湖のウナギ」と言う方におすすめの「うな丼」。
マスコットキャラクター:越冬ツバメのスワッキー、クロッキー、ローリーの3つとウナギのウナ二郎。
塩田跡地を利用して1955年に全国23番目の競艇場として誕生しました。一時、景気低迷による売り上げ減少で廃止も囁かれましたが、ナイターレース「ムーンライトレース」で見事に復活、一時は売り上げ全国一にもなりました。コースの広さは日本有数で、特に1マークのバック側は日本一です。湾の内側にあるプールなので静水面、干満の差もほとんど受けず、水質は塩分濃度の低い汽水です。このためスピードレースが展開されるので、ダッシュ勢が有利と思われますが、1コースの勝率が高めで、向かい風が強いとセンター勢が活躍します。
ピットから2マークまでの距離が長いので、枠なり進入が崩れることが多いのも特徴です。イン逃げ、4カドまくり、その隙に2コースが差すというレースパターンが多いです。地元の有力レーサーは、SGウィナーの池田浩二、平本真之、赤岩善生です。そして、女子では昭和の一時代を築いた「インの鬼姫」鵜飼菜穂子がいます。
おすすめ名物:リーズナブルな海鮮丼定食(500円)や「味噌勝丼」。
水質は、伊勢湾内部なので海水です。ただ、前検日の干潮に合わせて水門を閉めてしまうので、潮の影響は殆んどないです。バックストレッチ側が広いので、インが比較的強く、強豪レーサーやベテランがスピードをつけてインを攻めます。覚えておくべきポイントとしては、スタート時に強い向かい風になることがあり、フライングの頻度が比較的高いことです。また、レースで先頭のレーサーが3週目に入るとジャンが鳴るのも特徴の一つです。
1マークの入り口が狭くアウト側が広いので、スタートをうまく決めれば1コースがほぼ勝つパターンとなるのが特徴です。そのため、ピット離れとスタート展示をよく見ましょう。勝率は1、5、6コースが全国平均より良く、2、3コースが低い傾向があります。また、「春はイン、冬はアウト」と覚えておくのも良いでしょう。地元出身のレーサーは、蒲郡でも紹介した池田浩二、ベテランの鈴木幸雄、新美恵一、女子で忘れてはいけないのが美人レーサーの大滝明日香です。
おすすめ名物:甘口の八丁味噌でモツをじっくり煮込んだ「ドテ丼」。
マスコットキャラクター:常滑焼に因んだ招きネコの「トコタン」。
日本で最初に認可を受けたのが津競艇場で、初レースは1952年7月(1969年に現在地に移転)。水質は、伊勢湾に近いため海水の混じる汽水に近い淡水です。また、季節風がレースに影響する事でも有名です。夏場は比較的穏やかでインの強い水面です。一方、冬場は鈴鹿山脈から吹き下ろす季節風の影響を受けて、風速10メートルの風が吹くことがあるため、防護ネットが設置されています。それでも2マーク水域が荒れて、穴が出ることもあります。
進入隊形はインの3艇は枠なりが多いのに対してアウト3艇は本番レースで変わることがよくあります。スタート展示でピット離れの良い6号艇が4コースに入ることもよくあり、こういった場合には特にレースが荒れやすくなります。また、2~5コースの差しがよく決まるので、回り足をしっかりチェックしておくことが重要です。地元の有力レーサーはSGでも常連の井口佳典、坂口周、新田雄史です。
おすすめ名物:「津餃子」と汁なしでタレをかけて食べる「伊勢うどん」。
マスコットキャラクター:恐竜のツッキー。妻のツッピー、息子のツックン、娘のツーコの四人家族。
本州の日本海側にある唯一の競艇場です。所在地は福井県坂井市。水面は小高い丘に囲まれた人造湖で、水質は淡水です。夏は海風、冬はシベリアからの季節風で追い風になるため、インの強い水面として有名です。ただし、強い風が吹くと小回りのインが流れ気味になるため、2、3コースから差したレーサーが抜けだします。4カドからのまくりは届かないので、アウトはまくり差しに構えます。
1号艇にA級レーサー、2号艇から外にB級レーサーをそろえたシード番組「おはよう特賞」が人気で、このような企画レースの元祖が三国です。1コースの勝率は全国平均より少し高いくらいで、2コースからの差しが決まりやすいのが三国の特徴。逆に6コースからの活躍は難しいです。地元の絶対的エースがSG9回優勝の今垣光太郎。福井出身では中島孝平が人気です。
マスコットキャラクター:地元の名産品である越前ガニをイメージした「カニ坊」。
おすすめ名物:福井定番の「ソースカツ丼」。隠し味に生姜を使った「しょうゆカツ丼」も人気。
日本最大の湖、琵琶湖の一部を使った競艇場です。施行は、全国の競艇場で唯一都道府県(滋賀県)が行っています。水質は淡水なので特有の水の硬さがあります。更に標高が85メートルと高いため気圧が低くモーターのパワーが落ちます。このため、スロースタートのインが弱く、1コースの勝率は近畿地区で最も低くなっています。標高だけでなく、春先は雪解け水での水位の上昇、季節風の影響、観光船の波によるうねりがレースの荒れる原因になります。
このためカド攻めの3、4コースからの差しやまくりがよく決まります。また、モーターの中間整備によるパワーアップ効果も大きく、これを見極めないとびわこの舟券は取れません!地元の有力レーサーは、SGにも出場している守田俊介、中村有裕、馬場貴也です。
マスコットキャラクター:びわこオオナマズの「ビナちゃん」。
おすすめ名物:海老フライが7本入った「ビナちゃんカレー」。
ボートレースのメッカと言えば住之江競艇。毎年暮れには賞金王決定競走が行われます。また、年末年始を除いて通年ナイターが行われています。水面の周囲はコンクリート護岸に囲まれた長方形のプールで、水質は淡水。工業用水が利用されている事から、硬くゴツゴツした感じがするようです。スタート時の引き波が2マークに残って逆転が起こりやすく、2マークが難所と言われています。レースの傾向は、伸び足より出足やターン周りの仕上げをよく知っている地元のレーサーが強いと言われています。
ピットから2マークまでが長いため前づけをするレーサーも多く、進入隊形が崩れることもあります。ただ、1コースは1マークまで真っすぐなので、1コース有利なつくりです。差しやまくりり差しより3、4コースからのまくりが多い傾向にあります。地元の有力レーサーには王者・松井繁、SGの常連石野貴之、太田和美、湯川浩司、丸岡正典らがいます。
マスコットキャラクター:可愛いいイルカの「ジャンピー」。
おすすめ名物:大阪のグルメと言えば、言わずとしれた「たこ焼き」と「串カツ」。生ビール片手にナイターレース観戦は最高です。
地元では「センタープール」と呼ばれ(なぜそう呼ばれているかは諸説あり)、その特徴は2マーク、センターポール、1マークが一直線に並ぶ、日本で唯一振りがないコースです。夏場の蚊の大発生と戦後の復興資金のために尼崎市が湿地帯を掘削して造ったという経緯があり、水の静かな競艇場の一つです。水質は淡水で癖がないのが特徴。
1マークからスタンドまでが広いので、無風や追い風の時はインが有利。また、チルトが3まで可能なので向かい風の日は大まくりのチェックが必要です。番組作りはオーソドックスにシード無しが一般的。進入は枠なりが多く、春から梅雨の季節までは1号艇のイン逃げ、夏場は向い風の浜風が吹くのでまくり、冬になると強い向かい風が吹くので、ダッシュのまくりが決ります。地元の有力レーサーは魚谷智之レーサー、吉川元浩レーサー、和田浩二レーサー。
マスコットキャラクター:センタープールから取ったカエルの「センプル」。
おすすめ名物:タコの代わりにコンニャクと桜えびを入れた「多幸焼」。
いかがでしょうか。同じ競技をする競艇場といってもコースの形状や水質、潮位の変化、更には標高などといった条件によってレースが大きく変わるということがお分かりいただけたでしょうか?それぞれ特徴のあるコースに地元の走り慣れたレーサーたちが必ず登場します。そして、実力上位の人気レーサーでも地元の下位レーサーに敗れることもよくあります。各競艇場の特徴をよく頭に入れ、これからの舟券予想を楽しみましょう!